好きな言葉ということで、言葉だけは本当にこだわって来ました。僕は醜男なので、見た目の悪さをカバーできるのは、言葉しかなかったのです。たとえば、どう言葉にこだわってきたかといえばタイトルです。タイトルとは、すなわち作品の顔となるわけですから、顔の比重の重さは顔面醜男の僕はよく知っているので、とてもこだわるわけです。努力クラブのこれまでの公演のタイトルをただただ並べてみましょうか。「魂のような、ラクダの背中に乗って」「牛だけが持つ牛特有の牛らしさ」「無目的ビーム」「よく降る」「旅行者感覚の欠落」「正しい異臭」「家」「流したくない涙を流した」「深い緑がねじれる」「魔王城」「止まない雨も、明けない夜も、」「おモチ味のうどん」「憶えていてもらえない人の冒険」と、まあ羅列してみましたけど、羅列するようなものでもなかったなあというのが、羅列してみての感想です。それでも、スペドラに参加させてもらった作品の「彼女じゃない人に起こしてもらう」というタイトルは、個人的に凄く気に入っているタイトルです。彼女じゃない人に起こしてもらう。かのじょじゃないひとにおこしてもらう。カノジョジャナイヒトニオコシテモラウ。なんだかいろんなことを想像できるような良いタイトルじゃないですか。と手前味噌ですが、そう思うわけです。ところで、今回のブログのテーマは好きな言葉。好きな言葉はいろいろあります。その中でも、座右の銘というか、いつも気にしている言葉があります。シュルレアリストのサルバドール・ダリに、「私がふざけてやっているのか、真剣にやっているのか、誰にも知られてはいけない。また、自分自身もわかっていてはいけない」というのがあって、いやうろ覚えなので細かいところまで正しいかどうかわからないのですが、とにかくこういう意味の言葉を言っていました。ダリのこの言葉に触れて以降、自分もこのように生きていこうと決めました。高校のときだったのですが、とにかく自分自身を壊さなければどうしようもなかったのです。