「作品を作る原動力」ってすなわち「何で芝居やってんねやろ」ってことですが、「負けず嫌い」な性格によるものです。私の場合です。
母がそこそこ活気のある演劇部の顧問で、それがきっかけで幼い頃より当たり前のように演劇が身近にあって、皆さんの様に演劇が好きで始めた訳ではなく、むしろ高校生の時は結構やんちゃな方で、どちらかと言うと演劇なんてやってることを隠したいと思いながら15歳から今まで関西小劇場で何となくやり続けた不届き者ですから、私の志は決して高くありません。
休団してからはものすごい嫌いになりましたし、自分が関わってきた小劇場そのものを否定しました。一昨年まで。
「本人達は面白いと思いながら狭いコミュニティで傷を舐め合うだけの自己満足の世界」と。
私が小劇場界から去ったところで惜しまれるような事もないし、自分が大阪大学大学院に通っているという半ば高飛車な自負の念で、この世界との縁が切れたところで私のキャリアに傷がつくようなこともないし、むしろこんな無益な活動はないと思っていました。正直。
ですがタイミングってあるもので、辞めようと思った時に限って立て続けに色んな劇団さんの舞台に呼んでいただいてお世話になって、素敵な方々にお会い出来て、ひょんなことから劇団が再復活を遂げました。
その時母が「もう一度劇団で芝居が出来て嬉しい」と言ったことが忘れられず、「母のためにもう一度芝居をしよう」と思いました。些細なことですが。
ほぼ新メンバー、一からのスタート。せっかく復活したからには真剣にやりたい。
「実力もないのに復活して2年目でスペドラに挑むなんて」と周りは言いましたが時期尚早というならばいつならいいのかと思うのです。
実力など経験を積むことでしか得られないし、新メンバーと3年後には動員550人という目標がありますから、ならばそれを超えるためにどうあるべきか考えたら突き進むのみだと思うのです。
ここ2年ほど、本気で小劇場界で頑張っておられる様々な方々にお会いしました。その志の高さに感銘を受けると共に、私もいずれその域に、三年以内に最近勢いのある劇団として「無名劇団」の名前が上がるように、ただ邁進するのみだと思ったのです。
邁進しすぎて2度も留年に陥り、高校から大学院までストレートに卒業し、一流企業に勤めてバリバリキャリアウーマンになるという理想のエリート街道からは大きく道を踏み外し、未だ卒業が危ぶまれている且つ卒業後の進路未定というリアルですが、私や劇団は今、2016年の目標を達成するために芝居に捧げてみようと思っています。
私たちの芝居は面白い。と信じていると同時に推せるところは何処か、劇団としての魅力は何か、公演を打ちながら考えている、まだまだ発展途上中です。
無名劇団 島原夏海