space×drama2010が、幕を閉じました。
1997年に始まり、2003年度に若手支援を前面に出し、2008年度には改めて一般枠を追加するなど、そのかたちを関西小演劇界の現状に重ねて変化をさせてきた舞台芸術祭、今年も盛り上がりを実感することができました。
とりわけ今年度は、2007年の優秀劇団「突劇金魚」の特別招致公演に始まり、昨年の優秀劇団「baghdad cafe」まで、全6劇団が「むりやり堺筋線演劇祭」に参加するという、劇団・劇場をあげて、小劇場演劇の活性化に一役買おうという意思を見て取りました。
そうした動きの中に込められた思いのどこかに響いていただき、多数のご来場をいただきましたこと、主催者を代表いたしまして、謹んで御礼申しあげます。
既にウェブやTwitter等でもご承知の方も多いと思いますが、8月28日のbagdad cafeの楽日の前日に開催されたクロージングトークの終わりに、次年度の協働プロデュース団体となる、優秀劇団の発表会と目録贈呈式を執り行いました。
結果は既にご承知のとおりに、コトリ会議の皆さんを選出させていただくに至りました。
それに伴い、大阪市立芸術創造館による「大阪セレクション」に対し、推薦をさせていただきます。
そうした場や機会を経て、来年度、躍進が感じられる舞台が生み出されることを期待しています。
今年度のspace×dramaを振り返ってみると、優秀劇団の選考対象の劇団には、代理出産(プラズマみかん)、宇宙開発(コトリ会議)、新たな時代の職種(Z system)、自殺防止(micro to macro)と、それぞれに印象に残るテーマがそれぞれの味で料理されていました。
それらのテーマに対して、ダンスを交えたり、ホールの高さを活かしつつ客席の作り方に工夫を重ねたり、映像を交えて場面転換に工夫を重ねる、また音楽・映画・芝居という表現の手法の違いを効果的に用いるなど、劇団ごとに創意工夫が見られました。
優秀劇団の審査は、2010年8月26日の夜に、應典院寺町倶楽部の専門委員らによって執り行われましたが、その席上で何度も出てきたことばが「フック」ということばでした
一言で言えば「つかみ」とも言えてしまうこのことばですが、いかにして物語の筋に、それぞれの演出が引っかかりとなって、世界の中に引き込むことができるか、そうした観点から、各々の劇団の表現に対して議論が交わされました。
また、space×dramaは劇団どうしの経験交流を通じて相互に作り上げていく演劇祭です。
したがって、その過程にどこまで貢献がなされたのか、ということも、優秀劇団選考の際には議論が及びました。
転じて、Twitter、ブログ、それらに対して劇団の多様な顔が見えたかということと、各々の作品の表情とは、何らかのかたちでオーバーラップがなされている、そんな風にも覚えました。
結果として、今回の優秀劇団はコトリ会議となりましたが、哲学的な世界観を舞台の作り方の工夫によって効果的にもたらしていたという点に、審査員からの高い評価が寄せられました。
何より、突劇金魚やbaghdad cafeなど、先輩劇団が見せた、役者の存在感、舞台美術による空間設計、音楽による間合いの取り方などが、今年度の参加劇団のみならず多くの方々の表現を触発するものになれば幸いです。
いつも綴っていることですが、末筆ながら、改めて、今回、劇評ブログにもご協力いただいた皆さまの演劇祭に対する貢献に対してお礼申しあげます。
ありとうございました。
そして、今後とも、演劇祭としてのさらなる進化を求めつつ、関西小演劇界の活性化に、應典院が果たすべき役割を追求していきたいと考えています。
ぜひ、今後とも應典院(お寺)、應典院寺町倶楽部(NPO)、そしてシアトリカル應典院(劇場)、それぞれの立場に適切なかたちで、みなさまと関係を取り結んでいただければ、と願います。
應典院寺町倶楽部事務局長
山口 洋典